人生読本~20代からの読書日記~: 「多動力」堀江 貴文著

2017年6月1日木曜日

「多動力」堀江 貴文著

今回の本はこちら。




●書名・・・多動力

●著者・・・堀江 貴文




ホリエモンこと堀江貴文さんによる、ある種の“新しい働き方”についての本です。

堀江さんはこれまでの多くの著書でも新しい時代の働き方について語られていましたが、今回はその中でも特に「多動力」にフォーカスした内容になっています。


「多動力」とは、いくつもの異なることを同時に行う力のことで、まさに数多くのプロジェクトを同時並行で進行している堀江さんを表現するのにふさわしい言葉です。



「多動力」のある人は次から次へと興味の対象が移ってしまい、これまでの社会では「一つのことに集中できない」という悪いイメージでとらえられてしまっていました。


しかしこれからは違います。


インターネットの発達によりあらゆるものがネットに繋がろうとしている現在では、そのつながりにより各業界ごとの“タテの壁”が溶けてなくなろうとしています。

これからはどの業界も、ライバルは同業他社だけではないのです。


そんな世の中では、様々なジャンルを横断する能力(興味)を持つ「多動力」の高い人が求められていきます。



この本では、「多動力」とは何か、また「多動力」を発揮するにはどうしたらいいのかがわかりやすく、かつ刺激的に書かれています。



① 三つの肩書きをもてばあなたの価値は1万倍になる



「天才!成功する人々の法則」という本でも紹介されていますが、人はある分野での努力が1万時間を超えると最初の才能に関係なくその分野で世界的なレベルに到達することができます。

1万時間とは16時間で約5年。

5年くらいの期間頑張れば、「100人に1人」の人材になることができます。


この最初の5年が終わった後にさらに別の分野で5年、そのまた後に5年と費やしていくと…


100人に1人」×「100人に1人」×「100人に1人」=「100万人に1人」


という超レアな人材になることができるのです。

この時、より遠いジャンル同士でかけ合わせれば希少性はさらに高まります。

希少性が高まればおのずと面白い仕事が舞い込んでくるようになるでしょう。


業界のタテの壁が溶けてしまえば、たったひとつの肩書きだけでは通用しなくなってしまいます。

全てが1万時間とはいかずとも、いくつもの肩書を持つということはこれからの社会で重要になってくるポイントです。



② 世の中には2種類の人間がいる。それは、「原液」を作る者と「原液」を薄める者だ。



堀江さんを筆頭に、たった1人で驚くほどの量の仕事をこなしていると感じる人がいます。

これについてこの本では、カルピスの「原液」を例に説明しています。


一昔前のカルピスは「原液」を氷水で薄めてコップ何杯分も作っていましたが、これは働き方にも応用できます。


「原液」となる考えや主張を生み出すことができれば、自分が働かずとも自分の分身(「原液」を薄める者)がその「原液」を薄めどんどん広めていってくれます。


これは特に堀江さんとテレビの関係に当てはまります。


堀江さん自身は以前に比べてテレビへの出演は減っているそうなのですが、視聴者側からするといまだによくテレビに出演しているような印象があります。

これは、堀江さんという「原液」をテレビが薄めて勝手に広めてくれているからそのような印象になるのです。


こうなれば、自分一人では到底作れないような影響力を持つことができるようになります。



しかしこの「原液」、ただ闇雲に働いているだけでは生み出すことができるようにはなりません。


しっかりとした「原液」を作るためには、教養(時代が変化しても変わらない本質)が必要なのです。


幹となる「教養」を身につければ、枝葉となる様々な事象は全て理解できるようになり、「原液」となりうる考えや主張を生み出すことができるようになるのです。



③ 小利口はバカに勝てない



先ほどは人間を“「原液」を作る者と「原液」を薄める者”の2種類に分けましたが、今度はまた違います。


「人についていく小利口」と「真っ先に手を挙げるバカ」


この2種類です。


目の前にチャンスが転がってきたときにそれをモノにできるのはあれこれ考えてすぐには行動できない小利口ではなく、何も考えずとにかくすぐ手を挙げるバカの方なのです。


小利口が癖になってしまうと常に一歩遅れてしまい、タイミングを逸してしまうことにつながります。


その点、ここで言うバカは強いです。

もちろんリスクもありますが、そのリスク以上にすぐ行動することのメリットを得られることが多いのです。


これは「ファースト・ペンギン」という話に似ています。

食料を求めてどのペンギンよりも真っ先に海に飛び込むペンギンは、もちろん未知の海に飛び込むのですから天敵などのリスクも一番大きいのですが、食料となる魚も一番多く取ることができます。

セカンド・ペンギン以降の後から飛び込むペンギンたちは、先のペンギンで様子見をしてリスクは減っていますが食料の魚も先に取られてしまいます。


リスクと成果を天秤にかけるような話になってしまいましたが、組織で働いている場合はまた少し違います。

バカが真っ先に手を挙げて被るリスクも、同じチームにいる他の小利口がフォローしてくれるのです。


このように真っ先に手を挙げるバカがある程度いるだけで、その組織は輝きを増すのです。


そしてまた、考えるより先に手を挙げるクレイジーな発想から、爆発的に面白い仕事が始まるのです。




まとめ




堀江さんは他の多くの著書でもそうですが、とにかく「自分の時間」を取り戻し自分がワクワクすることで毎日を満たすことを最重要視しています。


そのために必要なのが「多動力」。

また「多動力」とは、時代の変化に対応した働き方としても重要な考え方です。


この本では多くの重要なポイントを押さえ簡潔に項目分けした形で書かれているのでとても読みやすく、またその多くが自分の心にグサグサ刺さってきます。


それら書かれていることを実践していくことで、僕たちの人生はさらに輝きを増すことでしょう。


本文の“おわりに”にも書かれているのですが、

「重要なことは Just do it. Just do it. ただ実践すること」



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