人生読本~20代からの読書日記~: 「僕らが毎日やっている最強の読み方」池上 彰 佐藤 優著

2017年6月5日月曜日

「僕らが毎日やっている最強の読み方」池上 彰 佐藤 優著


今回の本はこちら。




書名・・・僕らが毎日やっている最強の読み方;新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意

著者・・・池上 彰 佐藤




池上彰さんは元NHKの記者・キャスターであり現在はフリーのジャーナリスト。

佐藤優さんは元外務省主任分析官であり現在は作家として活動されています。



現代日本の知の巨人ともいえるようなお二人が、普段どのように様々な情報を読み解いているかという技術を対談形式で余すところなく公開しているのがこの「最強の読み方」です。



新聞・書籍・ネットなどからいかに情報を集めるか、またいかにそれらに惑わされない力を付けるのか。



これらは現代に生きるすべての人にとって、必要な能力なのです。





世の中で起きていることを「知る」には新聞がベースになり、世の中で起きていることを「理解する」には書籍がベースになる




今の世の中を知るための基本的かつ最良のツールは、やはり新聞です。

世の中のあらゆる側面をざっと把握することができるという「一覧性」において、新聞に勝るメディアはありません。



速報性という意味ではいまやネットが勝っている部分もありますが、それらネットの記事も結局新聞などの「一次情報」を利用した「二次情報」であることが多いため、やはり情報を知るための新聞の重要性はいまだに高いままなのです。





新聞をしっかり読めば「何が起きているか」を知ることができますが、しかしそれだけでは「なぜそうなったのか」「その背景にあるものは何か」まで理解することはできません。



ここで重要になってくるのが書籍です。



新聞で知る情報を理解するにはすべての土台となる基礎知識が必要であり、それは書籍を読まないと養うことができないのです。



池上彰さんも基本的には「新聞で日々のニュースの全体をとらえ、気になるテーマがあれば書籍で深堀していく」スタイルだそうです。





いまの時代にインプットの時間を確保するには、あえて「ネット断ち」や「スマホ断ち」をする必要がある




ネットにも有益な情報はありますが、それでもインターネットを使っている限り「ネットサーフィンの誘惑」は常に存在しています。



ネットサーフィンの良くない点は、時間の浪費に加えて、そこで観た情報がほとんど記憶に残らないことがあげられます。

ただでさえ時間の限られてる毎日にこんなことで時間を浪費していては、インプットの効率は悪くなる一方です。



そうならないためにも、なんでもネットにつながりつつある現代ではある程度の意識的な「ネット断ち」や「スマホ断ち」が必要になってくるのです。



電車内などを見まわしてみてもいまやほとんどの人がスマホを操作しているか居眠りしているかですが、例えばそこで読書をすることでインプットの時間が継続的に増えることになります。





また最近では電子書籍もかなり広まってきましたが、ここでも注意が必要です。



電子書籍はスマホやタブレット端末でも読むことができますが、それらはやはり「ネットサーフィンの誘惑」がありますし、メールやメッセージの受信のお知らせなどでどうしても集中力をそがれてしまいます。



読書に集中するためにも、やはり電子書籍は専用端末で読む方が効率がいいのです。





今の時代、簡単にはネットにつながらない、その不自由さが、逆に知的強化にはメリットになるのです。





発見したタネ本は内容がきちんと理解できるまで何度も読み込むと、それがそのジャンルに関する基礎知識になります




興味を持ったジャンルを理解するために何冊か本を読むと、徐々にそれら関連書籍の元になっている「タネ本(基本書)」がわかってきます。



このタネ本をしっかり読み込むことで、そのジャンルの基礎知識を身につけることができるのです。



もちろん後発の本の方が補足情報があったり読みやすかったりしますが、それでもやはりタネ本の方が情報の密度は一番濃いものです。



こうしたタネ本をしっかり読み込み基礎知識を養い、それから日々の情報や後発の本などで自分の中の情報をアップデートしていけば、その分野への理解は格段に深まります。



また同様に現代の様々な考え方の元になっているそれぞれの古典作品を読むことも、社会を理解する手助けになります。




まとめ




この本のなかでも何度も説かれていることですが、世の中のことを「知る」ために新聞・雑誌・ネットなどから情報を得る必要がありますが、それらをちゃんと読みこなすためには書籍を読んで世の中のことを「理解する」必要があります。



こうした書籍による基礎知識があるからこそ、大量の情報を読みこなしたり、怪しい情報に騙されることを防ぐことができます。





この本は主にビジネスパーソンに向けて書かれた本ではありますが、溢れるほどの情報がある現代においてはどんな人でもこれらの読みこなすスキルは必須です。



佐藤優さんの言葉で印象的だったのが「知識は、生き残るための武器であり、かつ「防具」にもなる」というもの。



この「最強の読み方」に書かれていることを実践し自身の読み方を強化することで、確実に世の中への見方が変わることでしょう。



お二人とも他に多くの著書を出しているので、まずはそこから読み始めてもいいかもしれません。




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