人生読本~20代からの読書日記~

2019年5月21日火曜日

「ウシジマくんVS.ホリエモン 人生はカネじゃない!」堀江 貴文著

今回の本はこちら。



●書名・・・ウシジマくんvs.ホリエモン 人生はカネじゃない!
●著者・・・堀江 貴文

この本は映画化もされた漫画「闇金ウシジマくん」のいろんな場面を例に出しながらお金の本質について書かれたものです。

また題材が「“闇金”ウシジマくん」というだけあって、人間の負の側面というか人生の闇も垣間見ることができます。

現代社会における最強の武器は「信用」である!


これは堀江さんの他の著書でもよく出てくる言葉ですが、現代社会においては「信用」さえあればたいがいのことは行うことが出来ます。

たとえ何かの事業をしたいのにお金が全くないという状況でも、今はクラウドファンディングでお金を集めたりSNS等で協力者を募ったりすることが簡単にできるようになりました。

やろうと思えば全くの元手0円からでも何でもできる時代です。

多少お金があっても「信用」が全くなければ何事も成すことはできませんが、逆にある程度「信用」があれば全くお金がなくても生きていくことができるのです。


カネは必要だが、それはあくまで自分に対する「信用」の数値化に過ぎない


何事をするにもまずお金が必要です。

ではそもそもお金とは何でしょうか?

もともとお金は、価値の交換を行うための手段として発展しました。

生活が物々交換だけで成り立っていた時代も人は生きていけましたが、肉や魚、野菜などは時間とともに徐々に痛んでしまってあまり遠くへは運ぶことができません。

これらの交換の途中に「お金」を挟むことで、遠くへ「価値」だけを運ぶことができるようになったのです。

またみんな(大多数)がその価値を認める「お金」を使うことで、全くの見ず知らずの他人同士でも比較的安心して価値の交換を行うことが出来ます。

もし物々交換する相手が悪い奴だった場合粗悪な品物をつかまされる可能性もありますが、お金は誰からもらってもお金ですからね。


例えば日本人には馴染みの深い1万円札。

これも基本的な機能は全く変わりません。

1万円札を持っていれば、1万円分の価値のあるものと誰でも交換することが出来ます。

それに誰からもらっても1万円札は1万円札です。


ここで気を付けなければならないことは、“1万円札には別に1万円分の価値があるというわけではない”という点。

あくまで1万円分の価値あるものと交換できる引換券でしかありません。

これは信用についても同様で、誰かが1万円をくれるということは自分に対する1万円分の信用と引き換えに1万円札をくれるということです。

ただし逆に1万円札を渡して1万円分の信用を買うことはできません。


お金というのはそのものに価値があるわけではなく、あくまで自分の信用の値段、つまり信用を数値化したものに過ぎないのです。


ちなみに1万円札の材料費は約28円だそうです。


人生崖っぷちになっても「信用」さえ取り戻せれば復活できる


闇金ウシジマくんはつまり金貸しの漫画なので、作品の中では多くの人が借金により追い詰められていきます。

借金以外でもお金が無くなり人生の崖っぷちに追いやられても、「信用」さえあればだれでも復活を果たすことが出来ます。

クラウドファンディングなどで信用を現金化しても良いでしょうし、他にもその信用があればこそ助けてくれる人も現れるかもしれません。

しかしただお金を求めて別の借金などをして解決しようとすると、一時的には何とかなるかもしれませんが本人の信用が増えるわけではないのでいずれまた同じ問題に直面することになります。

ピンチになってこそ、自分自身の「信用」を取り戻すことが必要になってくるのです。


まとめ


今回はこの本の中でもお金と信用の関係について特に取り上げましたが、闇社会を扱った漫画を例に出しているだけあって他にも面白いテーマがいくつも出てきます。

マインドセットなどのある種の洗脳や詐欺など恐ろしいものもありますが、これらは決して他人事ではありません。

それこそお金の話も同じで、「お金=信用の数値化」ということはまだまだ多くの人にとってなじみのない考え方かもしれません。

しかしこの考え方からスタートすれば日々の活動の方向性も間違えることがなくなり、一つまたひとつと信用を積み重ねていくことが出来るのです。


2019年3月30日土曜日

「マンガ版 「好き」を仕事にして生きる」堀江 貴文著

今回の本はこちら。




●書名・・・マンガ版 「好き」を仕事にして生きる
●著者・・・堀江 貴文

この本では“文章で書かれた通常のビジネス書のような部分”と“マンガで描かれたストーリー”の二種類の内容が交互に構成されて書かれています。

マンガ部分は主人公である寿司屋の息子が事故に遭い最近流行りの(←)異世界転生をするところから始まります。

“好きなこと”を武器にしてブルーオーシャンを目指せ!


主人公は最初、非正規の武器商人として転生します(7割がたこの設定が気に入ったという理由でこの本買いました←)。

しかし転生した世界では町に武器商人が溢れ、しかも良い商品を独占している正規の(そして強欲な)武器商人も存在して完全なるレッドオーシャンと化しています

ここで主人公はジョブチェンジ(転職)をしブルーオーシャンに飛び込むことで道を切り開いていくのですが、これは現実でも重要なキャリアの進め方です。


堀江さんはいろんな働き方を<市場>と<収入>という二つの軸を基準にしたマトリクスを使い

A:メジャーで高収入
B:マイナー・ニッチで高収入
C:マイナー・ニッチで低収入
D:メジャーで低収入

の四象限に分けて説明しています。

これまでの価値観ではみんながメジャーな市場で働こうとするので、上記の区分でいうとDから始まってAを目指します(ゆえにメジャーなのですが)。

しかしそうするとライバルが多い上にAには全国的にも有名な大御所がすでにポジションを占めているので必然的にあぶれる人がほとんどになってしまいます。


そこで、この本の中で堀江さんが勧めているのは

D→C→B

の順番で自分のキャリアを進めていくことです。

CとB、つまりマイナー・ニッチな市場を目指すということです。

マイナー・ニッチと言っても、インターネットで世界のどこでも瞬時につながることが出来るようになった現代においてはそのマイナー・ニッチが十分な大きさの市場を形成しているので高収入を目指すことができるのです。


「好き」を濃縮させれば、自分だけのニッチな分野を攻められる


マイナー・ニッチを攻めるにしても、なぜ「好きなこと」なのか。

それは、好きなことであればこそ多少の困難に直面しても努力や工夫を続けることが出来、結果的に強力な自分だけの武器を作ることができるからです。


たとえニッチな特技を持っていたとしてもそれがルーティンから得られた特に好きでもないことなら、他人に真似されたりするとすぐにやる気を失ってしまいます。

その点もともと自分の好きなことであれば負けん気が起きるかもしれませんし、そもそも好きでやってることなので他人のことなど気にしなくなります。

そうして努力や工夫を続けているうちに差別化にもつながり、さらに独自の魅力を発揮していくことになるのです。


スイーツ評論家→コンビニスイーツ評論家→コンビニアイス評論家


例えば、スイーツを食べて感想をSNSなどに投稿する評論家になろうと思っても同じようなことをしている人はたくさん存在します。

このレッドオーシャンで戦うのはかなり骨が折れるので、分野を狭めてコンビニスイーツに限定してみます。

これでもまだ分野が大きすぎるので、さらにコンビニで売っているアイスに限定してみる。

ここまでくればもうかなりニッチになってくるので、ライバルの少ないブルーオーシャンで戦うことが出来ます。

これは堀江さんのYoutubeチャンネルにも時々出演しているアイスマン福留さんという実在する人のことで本の中にも出てくる例ですが、アイスマン福留さんはこうして自ら“コンビニアイス評論家”と名乗り活動することでそのマイナー・ニッチ分野で頭角を現し、今では逆に自分がメディアからインタビューされるなど結果を出しています。


まとめ


堀江さんの著書はどれもこれからの時代に重要な考え方が書かれていますが、今回の本は読んでいて働き方という軸を中心にいろんな本で書かれている内容が集約していくような“流れ”を感じました。

そしてマンガ部分で主人公が転生しその世界でのキャリアを進めていくことで、この“流れ”が物語に沿ってスッと頭に入ってきます。


「好き」に没頭しブルーオーシャンに飛び込み、その中で地道に活動し足し算を続けることで結果を出し、生きていく。


インターネットが発達し諸々のハードルが下がった今こそ、「好き」を仕事にして生きるべきなのです。


追記:

すげー個人的にマンガ部分の続きだけでも是非読みたい。
ただの魔法使いから魔法少女となったティラミスがどう戦っていくのかとかめっちゃ読みたい。
あとモブキャラ達の今後とか。モブキャラの転職でちょっと泣きそうになった←。

気になる人は是非買って読んでみてください。3分の2くらいマンガなので早く読めるし値段も普通のビジネス書より安いし、それでいて内容はこれまでの堀江さんの著書での主張がギュッと詰まっていてお得感があります。

転生した異世界もRPGゲームの世界なので、今までとは違う角度から考えることができビジネス書が苦手な人にもわかりやすい内容になっています(RPG大好きな僕は非常に楽しんで読むことが出来ました)。




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2019年3月10日日曜日

「メモの魔力」前田 裕二著

今回の本はこちら。



●書名・・・メモの魔力 The Magic of Memos
●著者・・・前田 裕二



メモという魔力が人生を動かす


著者は動画配信サービスのshowroomを作った前田裕二さん。

自他共に認める“メモ魔”だそうで、普通の人が一ヶ月かけて書く量のメモを一日でとるほど普段からメモを書きまくっているそうです。

そんな“メモ魔”前田さんはこの本で、メモをすることを生き方にまで昇華することで誰でも己の人生や世界さえも動かし得ると書いています。


メモすることで知的生産性が増し、能力が向上し、自己理解が深まる


メモをとることの大きな効果としてこの本では

  1. アイデアを生み出せるようになる(知的生産性の向上)
  2. 情報を「素通り」しなくなる(情報獲得の伝導率向上)
  3. 相手の「より深い話」を聞き出せる(傾聴能力の向上)
  4. 話の骨組みがわかるようになる(構造化能力の向上)
  5. 曖昧な感覚や概念を言葉にできるようになる(言語化能力の向上)

以上の五つを上げています。

メモをとれば記憶する分の脳の容量が空きより本質的なことを考えることができるようになり、アイデアの種を求めてあらゆることにいままで以上にアンテナを張るようになり、メモという文章で表現するためにより理解しようと努力し言語化する習慣がつきます。

これらはどのような人にも重要なスキルであり、またこれらのスキルを高めることで今まで以上に己の人生に影響を与えることができるようになります。

そのために前田さんはこの本の中で、次のようなメモの取り方を紹介しています。


「ファクト(事実)→抽象化→転用」という最強のフレームワーク


前田さんはメモ帳やノートなどを大きく3分割して次のような内容をメモしていくそうです。

  1. ファクト(事実)…客観的な事実。その時目にしたものや感じたこと。
  2. 抽象化…ファクトに書いた具体的な情報を受けての気付きや他に応用可能な法則。
  3. 転用…抽象化によって導き出された気付きや法則を他のことに応用したアイデア。

このようにどんな事柄も抽象化しその本質的な法則を見出し、それを転用することで様々なアイデアを生み出すことが出来ます。

このフレームワークは自分の外にあるものだけでなく、もちろん自分自身の感情などについても同様に気付きを得るきっかけにすることが出来ます。

まとめ


気付いたことを何でもメモしその本質を抽象化する。
抽象化して得た情報をもとに他のことに転用することで様々なアイデアを生み出したり自己分析を深めたりする。

深い自己分析により本質的に自分のやりたいことを見つけ、それを実行するためのアイデアを様々なことから得ることが出来れば、おのずと人生は動き出します。

それはきっと、夢を叶える原動力になるはずです。

そしてメモには、それを可能にする“魔力”が秘められている。

前田さんはメモの書き方を通して、多くの人が夢を叶える手助けをしてくれているのだと思います。

その熱い想いを、是非この「メモの魔力」を読むことで感じてみてください。

そしてペンとノートを持ち、メモしてください。

それが必ず、人生を動かす第一歩になります。





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